2025/08/31 (日)
22/7(ナナブンノニジュウニ)、西條和卒業に寄せて
今日、2025年8月31日をもって、バーチャルアイドル声優ユニット・22/7(以下ナナニジ)の西條和が卒業します。 結成以来、9年に渡ってナナニジの顔として活躍し続けた彼女。しかしそのアイドルとしての姿勢は特異そのものでした。 アイドルなんてやりたくない。人前に出たくない。目立ちたくない。仲間やファンとコミュニケーションを取りたくない。嫌なことからは逃げる。そしてそんな自分が何よりも嫌い・・・。 その姿はややもすれば「やる気のない」ようにも見え、歌唱力も伸びず、声優としては棒読み以下。アニメ『22/7』の失敗は主役を演じた彼女の演技力にも大きな理由があったと思います。 彼女たちナナニジはアニメの声優としての他に、バラエティ番組『22/7計算中(続編で検算中・計算外)』という本人たちが出演する週間番組も抱えています。そこでも西條和は殆ど喋らず、前に出ず、嫌な企画から逃げていました。 正直「彼女は何でナナニジにいるんだろう?辞めれば良いのに」と思った事もしばしばあり、そんな彼女を重用するユニット企画者の秋元康の真意も計りかねていました。 しかし、西條和は成長を始めます。非常にゆっくり、平坦に近いなだらかな曲線を描きながら。少しずつ喋るようになり、嫌な企画も我慢して参加するようになり、笑顔を見せる機会も増えて来ました。その成長は、実に9年掛かって本人が「アイドルも悪くない」と思えるところまでやっと来たのです。 そしてそんな成長した西條和が選んだのは、ナナニジからの卒業、芸能界からの決別でした。何も出来なかった彼女が、成長する事によって最後にしっかりと自分の道を選べるようになったのです。 私は西條和の事が好きではなかった、むしろ嫌っていた・・・。しかし、今では西條和のいないナナニジ、彼女が演じた滝川みうのいないナナニジが想像出来ないくらい大きな物になっていました。最近では知らぬ内に番組に出演する彼女を目で追っていました。彼女がナナニジのオーディションで唄った曲が河合その子の『青いスタスィオン』だったと知ったのも最近の事でした。39年前、私が初めて好きになったアイドル、私が初めて買ったレコードです。最後になって彼女に強いシンパシィを感じるようになっていました。 8月31日、我々の前から完全に消え去る西條和と滝川みう。今年の夏の終わりの喪失感はいつもより大きく感じるのです。
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本日のBGM:『ムズイ』(アニメ『22/7』OP)
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