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Mc.OKAZAKIのミリタリーよもやま話 その5

魚雷斉射!命中率83%!
一撃で空母1隻・駆逐艦1隻撃沈、戦艦1隻撃破!!

まるで30年前のSFアニメや志茂田○樹の軍記小説のような冒頭の台詞ですが、これを本当にやってのけた潜水艦がありました。日本のイ−19号潜水艦がそれで(写真は同型艦のイ−26)、1942年9月15日の事でした。

1ヵ月半前の7月26日、ガダルカナル島南東約200kmの地点で米空母『ワスプ』(写真)を主軸とする機動部隊を発見したイ−19は、密かに追尾を開始します。しかしその後目標をロストしてしまい、搭載している偵察機を飛ばしたり、米軍占領下の島に接近したりしますが、遂に発見する事が出来ませんでした。
しかし運命の9月15日、ガダルカナル島南東沖にて再びこの機動部隊を発見、11時45分、距離900mから6本の魚雷を一斉に放ったのです。このうち3本が『ワスプ』に命中、19000tの空母は瞬く間に炎に包まれたのです。

米軍にとって不幸は続きました。『ワスプ』から東方約10kmの所に空母『ホーネット』を主軸とする機動部隊が展開しており、その艦隊に残り3本の魚雷が襲い掛かったのです。戦艦『ノースカロライナ』(写真)に1本命中。『ノースカロライナ』は損傷によって年明けまで戦線離脱を余儀なくされてしまったのです。
さらにもう1本が駆逐艦『オブライエン』に命中。こちらは瞬時に爆沈してしまったのです。

『ワスプ』の火災は手を付けられない状態となり、夕刻には総員退艦が命ぜられます。18時頃、『ワスプ』は味方の手によって海没処分となったのでした。

こちらは駆逐艦『オブライエン』に魚雷が命中した、まさに決定的瞬間。後方では『ワスプ』が炎上しています。

日本の空母は面白いようにボカスカと米軍の潜水艦に沈められていますが(『信濃』『大鳳』『翔鶴』『雲龍』『大鷹』『冲鷹』『雲鷹』『神鷹』の8隻)、日本の潜水艦オンリーのスコアで米軍の正規空母を撃沈したのは、これが最初で最後の事だったのです。
殊勲を挙げたイ−19ですが、翌年の11月にギルバート諸島方面で消息を絶ち、後日戦没と認定されました。

(2004・9・17)

 

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