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Mc.OKAZAKIのミリタリーよもやま話 その27

最強の戦艦の最大の弱点

今日のお題は旧日本海軍の戦艦『大和』級・・・おー、ここに来て誰もが知ってる超メジャー艦の登場です!

世界最大の排水量、世界最大の全幅、世界最大の舷側装甲、そして世界最大の主砲・・・レーダーなどの電子装備を除けば、単純な撃ち合いでは『大和』級はまず間違いなく世界最強の戦艦でした。

し  か  し

『大和』級には知られざる最大の弱点があったのです。それは、第2主砲の後部と、第3主砲の前部に設置された15・5cm3連装副砲塔でした。
この砲塔は元々巡洋艦『最上』級が主砲として搭載していた物で、『最上』級が主砲を20・3cm砲塔に交換するにあたって降ろした物を流用した、いわばリサイクル品でした。
そして、軽巡洋艦の主砲として使われていたこの砲塔の天蓋の装甲厚は、わずか25ミリしか無かったのです。これは巡洋艦クラスの主砲弾や中型爆弾1発で簡単に貫通出来る厚さです。
そしてこの副砲塔の下のブロックにあったのが、何と主砲の弾薬庫!!( ̄Д ̄; 『大和』級は、副砲塔の天蓋に巡洋艦の主砲クラス以上の砲弾、または中型爆弾を命中させられると、下手をすれば1発で轟沈しかねない危険性をはらんでいたのです。
予防策として、副砲塔と主砲弾薬庫との間に28ミリの装甲版が一応追加されてますが、これでは所詮気休め程度。『大和』級が敵巡洋艦との至近距離からの砲撃戦が幾度も繰り返されたガダルカナル島の争奪戦に投入されなかった理由は、実はこの辺にあったのかもしれません・・・(;´д`)

アメリカさんもこの事実を知ってたら、集中的にここを狙ったんでしょうなぁ(何しろ『大和』級2番艦『武蔵』は、魚雷20本、爆弾17発、至近弾20発を耐えた程、このクラスは頑強でしたし)。

(2008・7・1)

 

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