2012/06/23 (土)
英雄王が全裸王となり、凛に対する皮肉で愉悦を得る綺礼。そして報われない戦いの果てにセイバーが観た物は・・・ 〜『Fate/Zero』
分割2クールの長きに渡って語られた第4次聖杯戦争、ここに完結。
理由も語られないまま、自らの手で心から欲した聖杯を破壊させられたセイバー・・・役立たずには相応しい幕引きですな(酷 破壊された聖杯から現れた黒い球体は、天空に登るとやがてそこから溶岩のような高熱の泥濘を迸らせ、それはギルガメッシュを包み、その波は冬木市を飲み込んで行きます。これがstay/night編でも語られる冬木市大火災・・・切嗣が図らずも引き起こしてしまった大災厄です。 災厄の中、生存者を求めて駆け回る切嗣。そんな切嗣の姿を夢の中で観るイリヤ。アイリが死んだ今、イリヤこそが次の聖杯の器となる・・・そんな予感を促す描写です。 所変わって間桐家の蟲蔵。奇跡的にここまで歩みを進めて来た雁夜ですが、その生命の火はまさに消えようとしていました。 最後に雁夜が観た幻想。凛と桜が仲良く手を取り合い、葵が雁夜に微笑み掛ける・・・。それだけで幻想と分かってしまう悲しさ。この不幸な男は最後に幸福な幻想を観ながら、蟲蔵で蟲に喰われながら果てるという凄惨な最期を迎えます。そんな雁夜を見下ろしながら、桜が言い放った一言。 「お祖父様に逆らったりするから」 これまでの雁夜の想いと行動の全てを否定する、いかにも虚淵玄らしい、容赦も救いも無い言葉です。
さて、切嗣に延髄を撃たれて死んだはずの綺礼ですが、なぜか再びその目を覚まします。その目の前にいるのは、聖杯の泥に飲まれて死んだはずのギルガメッシュ・・・ですが、なぜに全裸www英雄王→全裸王(ストリーキング)にクラスチェンジですかwww 聖杯の泥の中で受肉し、再び生を得たというギルガメッシュ。なるほど、一から身体が構築されたから全裸なのね。そしてそのギルガメッシュと契約していた事から、やはり生き永らえる事となった綺礼・・・しかし心臓の鼓動は既にしていない、昨今流行りのゾンビっ子として(子じゃねーだろ)。 この場に立っている唯一の陣営として勝利宣言を行うギルガメッシュ。しかし自分が求めた世界の結末がこの地獄絵図と知った綺礼は、涙を浮かべて笑い転げます。与えられた結末、しかしその過程に一切説明が無いこの答えに納得が行くまで、生を追うと告げる綺礼。 そこに突如現れた切嗣。身構える綺礼ですが、切嗣はもはや戦意喪失し、生存者を探す事にしか意識も関心も無く・・・そんな切嗣を放置して去るギルガメッシュと綺礼。両者が再び聖杯を求めて戦うのはまだ遠い先の話です。 瓦礫の下で唯一の生存者を発見した切嗣。その少年こそ第5次聖杯戦争でセイバーのマスターとなる衛宮士郎でした。
再び時と所が変わって、ウェイバーが居候するマッケンジー家。ライダーがいなくなり、今回の戦いで思う所の多かったウェイバーは旅に出る事を決意。当面その資金を稼ぐためにバイトをする事に決めたウェイバーは、そのままマッケンジー家に世話になる事に。あの自尊心の塊だったウェイバーも大人になったもんです。 部屋に残されたライダーの思い出の品々を苦笑混じりに懐かしむウェイバー。時計塔の名物講師「ロード=エルメロイU世」と呼ばれるようになるのは、もう少し未来の話です。 遠坂時臣の葬儀で弔辞を読む綺礼・・・殺した本人がまぁいけしゃあしゃあとw 遠坂家の当主となった凛にその心構えを説く綺礼。凛の後ろには雁夜の絞首から命だけは助かった葵が車椅子に乗っていますが、酸欠の後遺症で脳に障害を抱え、時臣が死んだ事すら理解出来ない状態・・・そんな葵も数年後に没する事になります。 父親を殺し、母親を廃人にされたシナリオを書いた当人から、父親の形見としてアゾット剣を渡された凛。それが父親の命を奪った凶器とはつゆ知らず、父の遺した意志として涙ながらにそれを受け取る凛・・・一瞬口元を歪める綺礼ですが、それは自作自演によるこの滑稽なシナリオの結末への自嘲でしょうか。
今回の聖杯戦争で自らの欲する何をも得る事も出来ず、為す事も出来なかったセイバー。そんな自分に嘆き、少女のように号泣するセイバーに、消え行きながら声を掛けるバーサーカーことランスロット。正しくあり続ける事よりも、不義を犯した自分に怒りをぶつけて欲しかった・・・結局一番の腹心の心をも理解出来ていなかった事に絶望し、自分が王になった事の正しさすら否定するセイバー・・・世間を知らない少女が王という存在になってしまった事の負債は、本人に帰するのは酷と言う物か。 その後、アインツベルンに帰る事を許されず、イリヤと会う事も出来なくなった切嗣は、冬木市大火災で自分が救った少年・士郎を養子に迎えて共に生活する事に・・・なんか士郎の後ろにやたら元気の良い木刀少女がいるけど、やっぱタイガーかあれw 少年の頃は正義のヒーローになりたかった事を士郎に告げる切嗣。その夢を切嗣が諦めてしまった事を聴いた士郎は、その志を自分が受け継ぐ、と宣言。その想いは数年後にセイバーを召喚する糧となるのでしょうか。 聖杯の泥で肉体が廃人同然にまで衰弱していた切嗣は、その後間もなく死去。享年34歳。そして新たな物語は、新たな主人公たちに受け継がれるのでした。
1クール+1クールで非常に楽しませてくれた『Fate/Zero』もこれにて終幕。stay/nightを上回る圧巻のスケールと群像劇で、昨秋から本当に楽しませて貰えました。まさに愉悦です。 これを観てしまうと、stay/nightをまた観たくなりますが・・・ufotable版のクォリティを観た後に、DEEN版ではやはり満足出来ないかなw
本日のBGM:disillusion(『Fate/stay night』OP)
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