2012/12/02 (日)
世代交代を狙う新興勢力と、古豪の意地との激突!のはずが、結果は何とも地味なメンバーのワンツースリー・・・
今週のGTはジャパンカップダート(阪神ダート1800m)です。先週のJCに続いてダートの世界最強馬決定戦・・・にはならないのが例年のこのレースで、今年も高額賞金ながらも外国馬の参戦はゼロ。これは世界のダート競馬の主流と言えるアメリカの競馬が左回りで行われるのに対し、阪神コースが右回りである事が大きく影響しています。この冬の寒いシーズンに、長駆遠征した上に慣れない右回りでの馬の脚の故障を心配する馬主&厩舎が多いってことでしょうね。
という事で今年も「暮れの日本最強ダート馬決定戦」という位置付けの同レース。メンバー的には日本ダート馬の主力がほぼ参戦する図式となりました。とりわけ注目は破竹の6連勝を続けるダート界の新星・ローマンレジェンドと、南部杯で古豪復活の狼煙を挙げたエスポワールシチーでしょうか。特にエスポワールシチーは、主戦の佐藤哲三騎手が先週の落馬事故で重傷を負ってしまって長期間の戦線離脱を余儀なくされ、武豊が代打騎乗する事も話題となっています。外人騎手を背にした新星と、哲三の思いを背負った古豪との一騎打ちモードとなれば、必然的にレースは盛り上がるってもんです。
そんなレースを期待して、私の◎は新星ローマンレジェンドで。GTは初挑戦ながら、ダート戦【8・1・0・0】の戦績はまさに新たなダート界の雄となる予感がします。鞍上は先週のJCの審議で今週騎乗停止となってしまった岩田に代わってデムーロとなりましたが、まぁ心配材料ではないでしょう。それにこのJCDは、過去10年で1番人気馬の複勝率がなんと100%!これは信頼出来るデータです。
◯は古豪という言葉が一番しっくり来るエスポワールシチーで。ローマンレジェンドとはエルムSで一度対戦していますが、この時はクビ差で敗れています。しかしその時あった3kgの斤量差も今回はゼロ。復権の舞台は整いました。哲三も病院のベッドでこの馬の逃走劇を見守っているでしょう。
▲は3歳勢から、これまた新星のイジゲンで。圧巻だったのは前走武蔵野S。大きく出遅れて最後方からレースを進めながら、メンバー最速の末脚で全馬をごぼう抜きにしての勝利には舌を巻きました。その前の秋嶺Sでは逃げ切って勝っており、まさに脚質は逃げ差し自在。鞍上も前走同様ムーアが手綱を握り、どの位置からでも上位を狙えます。
△は多めの7頭。実はJCDには2−3番人気馬の過去10年の連対率は0%(複勝率も僅か5%)というデータもあり、ヒモ荒れの傾向が顕著。なので中位人気馬を押さえるのは必須です。
馬番順に、まずはジャパンダートダービー(大井競馬)で3歳ダート王になったハタノヴァンクール。そこまでの連勝劇もあってこれからのダート界を背負う逸材と思われましたが、前走のみやこSではまさかの10着大敗。一度の敗戦で人気が急落した今回は、馬券的には狙いどころかと。
続いては単勝82.1倍の大穴でシビルウォー。ダートの深さが合わないのか中央での戦績こそパッとしませんが、前走のJBCクラシック(川崎競馬)では後述のワンダーアキュートの2着と結果を出しています。それに鞍上にはダートでの騎乗はお手の物の内田騎手。ここは一発狙います。
ダートレースに初挑戦のトゥザグローリーは、馬体重+18kgと減った身体を戻して来ました。母はドバイWC2着のトゥザヴィクトリーなので血統的なダートの素質はありそうですし、鞍上は豪腕ウィリアムズ。本来、芝の馬のダート初挑戦がGTである場合は黙って消しなのが定石ですが、これらの要素からハマると意外と恐いかも・・・
復権を賭けるもう1頭の古豪・トランセンド。昨年・一昨年の同レースの覇者ですが、今年に入ってから急激に調子が下降線。ここまで使われたレースは僅か3戦で、結果を出せたと言えるのは前走JBCクラシックの3着くらい。今回も馬体に張りがなく、どうやら完全に旬は過ぎてしまったような気配ですが・・・一応損しない程度の押さえに。
渋い所でホッコータルマエも押さえ。レパードSで3歳ダート界で台頭し、初の古馬との重賞対戦となったみやこSでも勝ったローマンレジェンドとはクビ+クビ差の3着に健闘。職人・幸騎手共々、また3着はあるかなー、と。
ローマン、エスポに続く3番人気のワンダーアキュート。これまでGTでは何とも勝ち切れないレースが続いていたこの馬ですが(昨年の同レースでも2着)、前走JBCクラシックでようやくGT初戴冠。和田騎手もテイエムオペラオー以来のGT勝利となりました。長いトンネルを抜けた今こそ、中央でも結果を出せるはず!・・・ですが、馬体重はたった1ヶ月で何と+21kg。前走が大きく減っていたので戻したとも言えなくもないですが、この馬がベストパフォーマンスを出すにはちょっと太いんじゃ・・・と思ってヒモ評価まで。
最後にこれまた渋い所でニホンピロアワーズ。ダート戦【9・6・3・3】と超堅実な5歳馬で、前走のみやこSではローマンレジェンドのクビ差2着と力のある所を見せています。
買い目:◎軸固定、◯▲から△に流す三連複15点
配当的にはあまり期待出来ませんが、これまで同レースで複勝率100%を誇る1番人気馬から買うとやむを得ませんかね。
勢いのある新星か、復権を狙う古豪か。しかしレースの結果は思いがけない馬たちの上位独占となる事に・・・
3馬身半突き抜けて勝ったのは、ローマンでもエスポでもなく、6番人気の激渋ニホンピロアワーズ!そして3着にはこれまた地味な9番人気ホッコータルマエが入る波乱!ローマンレジェンドは追い込み届かず4着まで・・・
レースは懸念されていたイジゲンの出遅れがまたも再発。ナムラタイタンも大きく出遅れます。ハナを切るのは、戦前「何が何でもハナを切る」と藤田騎手が宣言していたトランセンド・・・かと思われましたが、藤田騎手が追い続けても馬が全く反応せず、エスポワールシチーの単騎逃げを許す形になってしまいます。この時の様子を観て「もうトランセンドは終わったかも」と感じたものです。
レースはエスポワールシチーが順調に逃げ、それをトランセンドとホッコータルマエが追走、その後ろにニホンピロアワーズとワンダーアキュートが付ける形。結果、この辺りの馬が上位を占める訳ですから、典型的な逃げ潰れ・先行残り・追い込み届かずのレースだったんですね。
4コーナーを回ると逃げていたエスポワールシチーが失速。それを先行していたホッコータルマエ、ワンダーアキュートが捉え、そこに中段から上がって来たローマンレジェンドとグレープブランデーがジワジワと上がって来る中、ただ1頭、全く追ってもいないのにこれらの馬の前にスッと立った馬が・・・何とまさかのニホンピロアワーズ!
先頭に立ってからようやく酒井騎手が追い始めるとメンバー最速の末脚で後続をグングン突き放し、影も踏ませない圧勝劇で人馬共にGT初勝利。離れた2着にワンダーアキュートが入り、ワンダーアキュートと競っていたホッコータルマエが3着。1番人気に推されたローマンレジェンドは、これまでのJCDの1番人気馬複勝率100%の記録を止めてしまう4着となりました。
1着:ニホンピロアワーズ。ニホンピロの冠名の馬がGT勝ったのなんて、1985年のニホンピロウイナー以来じゃないのかw もはや化石となりつつあったこの冠名をまさか再びGT馬の名前として聴く事になるとは・・・。
2着:ワンダーアキュート。馬体重+21kgと大幅な変動の中でこの結果ですから、力は示せたと思います。それに2−3番人気馬が連対しないJCDの歴史も変えましたね。
3着:ホッコータルマエ・・・つーかニホンピロにホッコーとか、冠名渋過ぎだろ今回の上位馬!グラミー賞で日本の演歌が優勝するようなもんだw それに華々しいGTで酒井・和田・幸のワンツースリーフィニッシュとか・・・騎手買いの傾向が強い最近の自分では、ちょっと買えない組み合わせです(^_^;
4着:ローマンレジェンド。デムーロは人気を裏切る形にはなってしまいましたが、元々ダート経験の少ない欧州の騎手はこのレースをあまり得意としていないようで(近年勝ったのはカネヒキリのルメールくらい)、このレースに限っては「秋GTの外人騎手買い」のセオリーはあまり当て嵌まらないかも・・・
5着:グレープブランデー。11番人気で掲示板に乗せたのは立派。フランス人だけどルメールだけはこのレース得意なのかな?
6着:ミラクルレジェンド。牝馬が結果を出せないレースだけに、この着順はすばらです(ちなみに周知の通りこの馬、ローマンレジェンドの半姉です)。
7着:ナムラタイタン。かつてはデビュー以後ダート6連勝をした事もあるこの馬ですが・・・今回は出遅れも響きましたかね。
8着:ハタノヴァンクール。まぁまだ3歳ですから。
9着:シビルウォー。期待の穴馬でしたがやっぱ中央じゃダメかー。
10着:エスポワールシチー・・・哲三が泣いてるぞ、豊!
11着:ナイスミーチュー。最低人気ながら何気に阪神ダートは【3・0・1・2】と得意だったんですけどねぇ。
12着:トゥザグローリー。母の血もウィリアムズの腕も通用しませんでしたか・・・。もうこれで私が「芝の馬がGTでダート初挑戦」のパターンを買う事は無いでしょう。
13着:ソリタリーキング。この着順ではサカラート、ヴァーミリアン、キングスエンブレムといった偉大な兄たちに笑われるぞ!
14着:ダノンカモン。かつての堅実君も今年は凋落・・・
15着:イジゲン・・・え?こんなに負けたの??ここまで酷いと故障や落鉄を疑うレベルですが。
16着:トランセンド。こちらは逆に道中の行きっぷりを観てると、この着順でも納得出来てしまうと言いますか・・・。長く活躍する馬が多いダート界では、6歳なんてまだ引退を考えるには早いような気もしますが、何か復活のきっかけを掴まないとこれは厳しいかもですね。
馬券的にはいくら1−3着馬を△で押さえていても、◎が4着、◯が10着、▲が15着では話になりませんね・・・( ノД`) 今回は騎手的にも非常に難しい馬券でした。
しかし!今週は土曜日の金鯱賞(中京芝2000mGU)で6・8・4番人気の組み合わせの三連複を的中させ、久々の万馬券ゲット♪こっちはルメール=デムーロの外人騎手流しで獲れました。やっぱ頼りになるぜ、外人w(以前、WINSでモニタ観戦してる時、隣にいたおっさんが「外人!外人!」と応援してて吹いたw)
JCDも土曜日のステイヤーズSもダメでしたが、この馬券のおかげで今週末はプラマイゼロまで持って来れてます。
来週は・・・阪神JFですか。やべ、全然今年の2歳牝馬の復習してないや。
本日のBGM:Spirit Inspiration(『絶園のテンペスト』OP)
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