2013/12/27 (金)
ラスボス・コンゴウとの戦いは、艦隊戦ではなくメンタルモデルによる肉弾戦!そして原作続行作品としては異例と言える綺麗なまとめ方 〜『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』最終回
はじめは違和感があった3Dキャラも、最後には馴染んで来たし各々個性があって魅力的になったのが素晴らしいな。この辺、さすがは岸監督です。
さて、正面に霧の米国艦隊、背後にデス・スター化したコンゴウ(いや、強力な要塞砲を持つ移動要塞という点では銀英伝のガイエスブルグ要塞か)に挟まれたイ401。コンゴウの異形は、マヤとナガラ級8隻を取り込んだ故の姿でもありました。マヤちゃんbotは消滅した模様・・・残念ですな。 そんなコンゴウはいきなり超重力砲の発射体勢に。背後から、しかも射角の広い攻撃に回避も反撃も不能のイ401・・・万事休すか? しかし、コンゴウの超重力砲が薙ぎ払ったのは霧の米国艦隊でした。一撃で30隻以上の艦隊全てを葬ったコンゴウに対し、イオナたちはティータイム空間で「なぜ味方を撃ったのか」とその暴挙を詰ります。それに対して、イオナに接触して自分やお前たちのようなエラーをこれ以上作らないため、と応えるコンゴウ。そしてコンゴウは改めて感染源たるイ401に対して宣戦を布告するのでした。
コンゴウの今の姿は不安定な形で構成されており、いずれは崩壊を来たす・・・イ401と心中覚悟のその意思に戦慄するイ401のクルーは、直後にコンゴウの超重力砲の二射目の前兆を確認。あの攻撃を間髪置かずに撃てるとか、何というチート! すぐさま反転して、自らの超重力砲で攻撃を中和して位相空間を作り、その隙に姿を晦ますイ401。コンゴウはティータイム空間への接続を遮断しており説得は不可能の上、攻撃力は断然コンゴウが上。この危機にイオナはコンゴウとの直接接触を申し出ます。その無謀さを咎めるヒュウガですが、イオナの意思は堅く、群像もまたイオナの考えを尊重してその行動を許可するのでした。最初は群像に命令されるがままだったイオナが、自分の意志の元に行動する・・・この1クールでの成長が垣間見えますな。
イオナをコンゴウの元に送り込むため、猛然と突進を開始するイ401。それに対して500発を超える弾頭と超重力砲で迎え撃つコンゴウ。クラインフィールドでかろうじてそれに耐えながら、イオナが乗った魚雷を艦首から打ち出すイ401。凄まじい迎撃ミサイルの嵐の中、魚雷から飛び出してそれを飛び越えて行くイオナ・・・80年代のアニメによくあった描写ですなw ようやくコンゴウの錨鎖甲板まで辿り着いたイオナですが、コンゴウは聴く耳を持たずにイオナに直接攻撃を行います。それを受けながらもコンゴウの懐に飛び込んだイオナはその手を取り、コンゴウの心の奥底に入り込もうとします。
それを頑なに拒むコンゴウ。コンゴウは次々と揮下の艦が自分の下を去り、最後まで信じていたマヤがbotだったという事実に深く傷付いており、心を閉ざしていたのでした。変化を忌み嫌っていたのは、そんな寂しさが根底にあったんですね。コンゴウ、カワイソス・・・( ノД`) コンゴウは超重力砲のコアにイオナを張り付け、残弾全てのエネルギーを用いての心中を決意。しかしそこにイ401が超重力砲でエネルギー供給を絶ってこれを防ぎます。 コンゴウの心の傷を理解したイオナは、絶望して泣きながらうずくまるコンゴウをそっと抱き締めるのでした。互いに繋がり、理解し合えば怯えなくて済む。そしてコンゴウに「友だちになろう」と告げるイオナ・・・
次の瞬間、暗く凍え切っていたコンゴウの心は穏やかな春の草原へと変わります。デス・スターは崩壊し、姿を現したコンゴウの錨鎖甲板では互いに手を取り合ったイオナとコンゴウが、ようやく和解を迎えるのでした。 共に行こうと言うイオナに対し、まだその段階ではないとそれを断りながらも、どこにいても自分たちは繋がっていると告げるコンゴウ。うーん、霧の野良艦となって、今後粛清の対象とされないかちょっと心配ですね。 こうしてサンディエゴ軍港に辿り着いたイ401は無事に振動弾頭をアメリカ海軍に渡す任務を終えます。タカオはナノマテリアルの供給を受けてメンタルモデルが復活、さっそく群像に抱き付き・・・おいおい、ツンデレはどうしたツンデレはw それにタカオが復活したなら、キリクマさんも何とかしてやれよ。 そんなキリクマとハルナと蒔絵はアメリカに安住の地を得たようで。イオナお姉さま大好きなヒュウガはイオナから離れる事は無く、無事にイ401の姿を取り戻した艦と共にあるようです。 世界を救う手段を得た人類の未来に思いを馳せながら、新たな航海に出る群像とイオナ。もう完全に夫婦の空気を漂わせています。こうして物語は新たなステージへ・・・向かうんですよね?
アニメ版は途中から原作とは完全に逸脱した展開になったようですが、アニメ版の締め方は非常に綺麗で、これはこれで別ルートとして有りなんじゃないかと。作品の面白さもありましたが、艦これブームに上手く乗ったのもあってDVD/BDの売上げも好調のようで、2期が期待出来る作品になりました。ただ、原作とは乖離した展開になってしまったので、原作ルートに戻すのはほぼ不可能のようですけどねw
本日のBGM:君を見ている(『ジパング』ED)
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