2012/11/25 (日)
日本で行われる世界の頂上決戦!三冠馬、三冠牝馬、凱旋門賞馬が激突したこの秋最大の注目の一戦を制したのは・・・
今日のGTは待ちに待ったジャパンカップ(府中芝2400m)!正直、この日を待ち望んだ競馬ファンは多いと思います。
何と言っても注目は、凱旋門賞で2着に惜敗した日本最強馬オルフェーヴルと、今年三冠牝馬の栄光に輝いたジェンティルドンナとの日本競馬界初の牡牝三冠馬対決!それに凱旋門賞で日本競馬ファンの夢を砕いたフランスのソレミアの参戦で、まさに競馬世界の頂上決戦が実現した事です!
他にも3歳牡馬の代表格であるフェノーメノや超良血国際GT馬のルーラーシップなど、全17頭中11頭がGT馬という豪華な顔ぶれ。毎年「最強メンバーが揃った」と喧伝されるこのレースですが、今年ばかりはその看板に偽り無しです。
さて、予想ですが◎は素直に1番人気のオルフェーヴルとします。凱旋門賞の激走後、またも鬼門の大外枠(池添騎手曰く「JRAの苛め」)、それに水曜の調教で大きくヨレて走っているなど不安要素も数あれど、それらを意に介さない爆発的なスピード能力を持っているのは世界が認めるところ。むしろその危なっかしさがファンの心を掴んでいるのかもしれません。ちなみに過去15年のJCで日本馬が1番人気になったのは13回。その13頭の戦績は【4・6・3・0】で複勝率100%という心強いデータもあります。
◯は6番人気ながらダークシャドウを抜擢。この馬の府中特性は天皇賞(秋)の時に述べた通りですが、どうも牡馬GTでは頼りない福永騎手という事もあって天皇賞(秋)では4着惜敗。しかし今回はその天皇賞(秋)でエイシンフラッシュを勝利に導いた盾漢・デムーロが騎乗!しかもこの騎乗の裏側には、目下絶好調のムーアがダークシャドウへの騎乗を第1希望に挙げる→厩舎サイドの都合でムーアは外国馬のマウントアトスに乗らなくてはいけなくなり、泣く泣く断念→先週で帰国予定だったデムーロが、負傷帰国したメンディザバル騎手のために空いた外人枠を選択し、帰国を中止してまでこの馬の空いた鞍上を希望した・・・という流れがあったのはあまり知られていない事実。世界のムーアとデムーロがそこまでして乗りたかった程の馬・・・2200m以上のレースの実績が乏しいというマイナス材料はありますが、そこは世界のトップジョッキーの手腕でどうにかなりそうです。
▲は2番人気のルーラーシップ。前走の天皇賞(秋)では+18kgの大幅馬体重増の上に出遅れて「終わった・・・」と思わせておきながら、メンバー最速の脚で伸びて来て3着確保。このレースを観て「次のレースでは間違いなく買い!」と決めたもんです。今回は−8kgと馬体を絞って来た上、鞍上もメンディザバルから頼れる豪腕ウィリアムズにチェンジして必勝体勢!この馬も2400mはちょっとだけ長いクチですが、そこはそれ、鞍上の上でカバーです。
△は5頭。オルフェーヴル軸だからあんまり手を広げられませんが、実は案外相手は絞り易かったです。
馬番順に、まずは11番人気のジャガーメイル。かなり穴評価と言える人気ですが、実は2400m戦は(GT5戦を含む)10戦して一度も掲示板を外していない大得意の距離。更にロスの無い内枠、差し・追い込み馬が結果を出すJCという舞台を考えるに、これはかなり美味しい配当が狙えます。
続いて4番人気のフェノーメノ。この馬も天皇賞(秋)の時に述べた通り府中コースに滅法強い馬で、しかも3歳なので斤量55kgで走れる優位さもあります。オルフェーヴルとは今回初めての対戦となりますが、勝負付けが付いていないこの馬が新たな最強馬の称号を得る可能性も秘めています。
天皇賞(秋)を5番人気で制したエイシンフラッシュは、今回も5番人気評価。鞍上はデムーロからイマイチ不調が続くルメールに乗り替わりますが、本番に強いルメールはここ大一番ではやはり無視出来ない存在(2009年に代打騎乗のウオッカでこのレースを制しているのも記憶に新しいです)。
そして3番人気となった三冠牝馬のジェンティルドンナ・・・エリ女を早々に回避してここ1本に目標を絞った辺り、疲労度の面では買い易くなってますね。斤量53kgも魅力ですし、何と言ってもオークスで出した2分23秒6という走破タイムは、同じ府中2400mで争われるJCで比べてもでも歴代3位という3歳牝馬とは思えない破格の時計。鞍上の岩田騎手は、今年6つ目のGTタイトルを狙っていますが・・・馬体重−14kgは果たしてどうか?と思って今回は評価を下げています。メイチの仕上げなのか、秋華賞の激戦の疲労がまだ抜けないのか。何にせよ、育ち盛りの3歳馬の秋で馬体重大幅減はマイナス評価の材料にしかなりません。
最後に10番人気に甘んじているトーセンジョーダン。この馬の府中特性についても天皇賞(秋)に述べた通り。しかしその天皇賞(秋)では、休み明けに加えて輸送時に東名の事故渋滞に巻き込まれて長い間馬運車の中に閉じ込められるアクシデントもあって、調子を大きく落として13着に大敗してしまいました。はっきりした敗因があったにも関わらずここまで人気が落ちるのであれば、ここはやはり押さえて一発を狙ってみたいですね。
買い目:◎固定、◯▲から△に流す三連複11点買い
本当はオルフェーヴル1着固定の三連単でも良いような気もするんですが、どうにも不安材料が気になって弱気の三連複勝負です。
え・・・?外国馬ですか?うん、今回は全頭消しです!大将格のソレミアにしても、凱旋門賞は12番人気での勝利はどう考えてもフロック(重馬場と鞍上ペリエの好騎乗に助けられた感が強い)。そもそも、凱旋門賞まではGT未勝利の馬でしたし。他の4頭もいかにも欧州競馬向きの馬で、いかにも日本のスピード馬場には対応出来なさそうです。雨が降ってパワーの要る馬場になれば出番もありそうですが、パンパンの良馬場ではどの馬も1円たりとも買う必要はない、というジャッジです。
現役最強馬の意地か、新星三冠牝馬の勢いか、はたまた外国馬が世界の格を見せ付けるのか・・・。レースは頂上決戦の名に相応しい好勝負となります!
最後の直線、三冠馬同士の壮絶な叩き合いは長い審議の対象になるほどの熱戦!そしてその接戦をハナ差制したのは、勢いに優る三冠牝馬のジェンティルドンナ!
レースは天皇賞(秋)に続いてまたもやルーラーシップの出遅れからスタート・・・ゲゲーッ!流し軸の片方の馬だけに、これはちょっと痛い。
注文を付けて先頭を行くのは天皇賞(春)を14番人気で制したビートブラック。そして何とジェンティルドンナは2番手に付けます。逃げ差し自在のこの馬が敢えてここで先行するとは・・・軽い斤量と大幅に減った馬体重で失ったスタミナを活かすためには、直線一気の方を選択しがちですが・・・この岩田騎手の判断が思わぬ結果を生む事になるとは。
馬群は続いてトーセンジョーダン、ソレミア、フェノーメノと続き、エイシンフラッシュやオウケンブルースリ、ローズキングダム辺りが中段を形成。オルフェーヴルはこの集団の後ろ目で折り合いを付け、ジャッカルベリー、ジャガーメイル、メイショウカンパクが最後方から追走します。
4コーナーを回る頃にはビートブラックが快調に逃げを打っているものの、ローズキングダムやオルフェーヴルも先行集団に取り付きますが、何とジェンティルドンナは中段までジリジリ下がって行きます・・・これは惨敗パターン?やはり牡馬の壁は厚かったか・・・この時はそう思ったもんです。
そして直線。なかなか脚色が鈍らないビートブラックには少し肝を冷やされましたが、残り200mで遂に脱落。そのビートブラックを追い抜いて行ったのは、内に潜って死んだふりをしていたジェンティルドンナと、馬場の中央をまさに横綱相撲で突き進むオルフェーヴル!この時、ビートブラックとオルフェーヴルとの間の狭い隙間を抜けようとしたジェンティルドンナが、オルフェーヴルに馬体をぶつけて長い審議の対象となりますが、一応セーフの判定となります。
既に勝負はこのジェンティルドンナとオルフェーヴルとの叩き合いに絞られ、最後の最後はジェンティルドンナがちょいとハナを伸ばした所がゴール板・・・まさに両者互角の死闘でした。
少し離れた所ではルーラーシップとダークシャドウのこれまた激しい3着争いが行われ、この勝負はルーラーシップが頭差だけ制します。更に離れた5着にフェノーメノが入りましたが、歴戦の古馬牡馬たちに若武者の一太刀はちょっと届きませんでした。
1着:ジェンティルドンナ。3歳牝馬初のJC制覇・・・馬体重大幅減という事もあって高い評価を下せませんでしたが、53kgの斤量に助けられたとは言え、オークスの神タイムを更にコンマ5秒縮めての優勝はもう脱帽です。それに一度死んだふりをして内馬場に潜り込む岩田騎手の作戦も見事。そして現役最強馬オルフェーヴルとの叩き合いを制する勝負根性・・・この馬、今後オルフェーヴルを超える化物になる可能性も十分ありますね。
2着:オルフェーヴル。池添騎手はミスらしいミスもなく、直線でぶつけられた以外は特に不利もなかったのに突き抜けられなかったのはショックだろうなぁ。やはり凱旋門賞の疲れ?ここはファンが残念がっても無理して有馬記念を使わず、年内は休養に充てた方が良いような気がします。
3着:ルーラーシップ。またも出遅れて、またも3着w でもこの面子で結果を出すのはやはり本格化の証拠ですな。オルフェーヴルが出走しなければ、有馬記念はこの馬から買いたいですな!
4着:ダークシャドウ・・・秋天同様にこの馬を狙って行って、秋天同様に4着。どうにも煮え切らないなぁ。あ、府中でなんぼの馬なので、有馬に出て来たら評価は下げますけどね。
5着:フェノーメノ。府中コースの連対記録ついに途絶える・・・ちなみにJCはGT未勝利馬の戦績は概して良くないんですよね。どっかのGTを勝った後、また来年チャレンジ!
6着:トーセンジョーダン。前走の大敗から多少は持ち直して来ましたね。次走(有馬?)では侮れないかと。
7着:ビートブラック。逃げ・先行馬不利のJCで逃げて見せ場を作ったんだから本望でしょう。
8着:レッドカドー。やっと外国馬が出て来たw
9着:エイシンフラッシュ。やっぱ展開に注文の付くこの馬は買い難い。それにどうも今年のルメール駄目だなぁ。
10着:ジャガーメイル。2400m戦10戦連続掲示板の記録、遂に途絶える・・・まぁもう8歳だしねぇ。
11着:ジャッカルベリー。血統もこの馬自身も全然知らない。
12着:マウントアトス。ムーアがダークシャドウに乗ってればなぁ。
13着:ソレミア。凱旋門賞勝利はフロックと確定。これで引退だとか・・・一発屋として後世に名を残すかなw
14着:オウケンブルースリ。5回目のJC挑戦で、5着→2着→7着→10着→14着と限界を露呈し始めています。7歳だし、そろそろ引退かなぁ。
15着:メイショウカンパク。名手内田騎手が鞍上でしたが、さすがに今回は切りました。
16着:ローズキングダム。オルフェーヴルと同じ位置にいて、同じように上がって行ったんですけどこちらはブービー。ユタカマジックは朝日杯FSでまた観たいところ。
17着:スリプトラ。こちらは騎手も含めて全く知りませんw
馬券は△→◎→▲で獲りましたけど、評価を下げていたジェンティルドンナが来たのと、流し軸ではルーラーシップよりもダークシャドウの方を重視していたので、最低限の目標である「元手を倍にする」を達成したのみ。
3着がルーラーシップじゃなくてダークシャドウだったら、そしてジェンティルドンナが飛んで◎オルフェ→▲ルーラー→◯ダークで決まってたら・・・たらればは勝負事では言ってはなりませんが、そんな可能性に思いを巡らす馬券でした。
さて、次週は12月です。早いねえ、もうあっと言う間に有馬記念ですよ!
4週連続GT開催となる12月の第1陣はジャパンカップダート!・・・ちなみに外国馬の登録は無いみたいです。残念。
トランセンド、ワンダーアキュート、エスポワールシチーら強豪ダート馬に加わり、ダートに鞍替えしたトゥザグローリーの参戦が注目でしょうかね。
そして気になるのはエスポワールシチーの主戦を務める佐藤哲三騎手の容態・・・。土曜日の京都10Rで、最後の直線の最もスピードに乗ってる所で馬に振り落とされ、内ラチ沿いの鉄柵に叩き付けられて全身数ヶ所骨折他の重傷を負った哲三騎手。騎手生命に関わる程の重傷ですよこれ・・・。
1日も早い回復と、再びターフに戻って来てくれる事を祈っております。
本日のBGM:Precious(『生徒会の一存 Lv.2』OP)
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