2010/11/22 (月)
かつてここまで酷い自虐アニメがあったであろうか・・・ 〜今週の『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』
放映後、原作ファン及び業界関係者からフルボッコを食らった今回の8話。株を上げたのは黒猫だけでしたね・・・。
OPにはいつもの面々の他に、伊織・フェイト・刹那という新キャラが・・・アイマス・なのは・ダブルオーから好きなキャラの名前を取ったようなネーミングですが、沙織と違ってこちらは本名なんですって!そして提供絵・・・どう見てもアキバのガンダムカフェですな。 さて本編・・・桐乃の小説『妹都市(マイシティ)』は雷撃文庫から無事出版され(ぇ!)、増刷掛かりまくりの大ヒットとなり(ぇぇ!!)、遂にアニメ化される事となりました(ぇぇぇ!!!)。何か夢のような話です(主に悪夢方面の)。 アニメ化にあたりスタッフとのミーティングに赴く事になった桐乃。ガンダムカフェで黒猫と沙織に自慢しまくり・・・というのは表向きの顔。実は本物のアニメスタッフとの打ち合わせに気後れして、二人に着いて来てもらおうという算段。 桐乃の本心を読んで突っ込む黒猫ですが、出版社の担当の名前が「伊織・フェイト・刹那」と聴いて興味深々・・・そこに反応するかw
なんだかんだ言っても着いて来てくれる二人。伊織さん以外は大人の男性ばかりのアニメスタッフ達から、アニメ化にあたって原作者として希望があれば聴くと言われた桐乃は、しっかり仕込んで来た分厚いレポートでアニメ化への希望を揚々とまくし立てますが・・・スタッフやキャストに注文付けるのはアニメファンとして仕方ないと思うものの、文庫本1冊しかない原作なのに1年(4クール)52話構成で、毎回OP/EDを変えるなど、希望と言うよりは完全に夢物語です(;´∀`) それに対し「・・・検討させて頂きます」というスタッフの対応は至極真っ当で、1クール作品なのでOP/ED毎回変更は無理というのも納得出来る所ですが、放映まで5ヶ月しかないという慌ただし過ぎるスケジュール、短い原作なのでオリジナルを加味した展開で行く点、そして何より女性主人公を男性に変えると言われてはさすがにちょっと待てと。 「なぜ主人公が女性じゃなくてはいけないのか」と問われ、返す言葉が見付からない桐乃。そこに「主人公=自分を投影しているから」とズバッと核心を突く黒猫。つまりこの作品の主人公を変えてしまうという事は、もはや桐乃の作品ではなくなってしまうという事。誰よりもアニメ化を楽しみにしていた桐乃にとって、それは辛過ぎる通告でした。
寝る間も惜しんで企画書を作ったのに、それを否定されて全く望まない方向に改悪される事を通告された桐乃は大ショック。帰宅後、その心労と過労で倒れてしまいます。 後日、黒猫と沙織から話を聴いた京介。更に沙織の情報によると、今回急にアニメ化の話が舞い込んで来た理由は、既に予定されていた作品のアニメ化がポシャった所への穴埋めだと・・・。そんなの桐乃が知ったら更にショックだろうなぁ。 しかし桐乃が自分の作品をアニメ化させたいという夢は本物。何とかその夢を桐乃が望む形で実現させたい京介は、桐乃の代理として黒猫・沙織と共にアニメスタッフとの2回目のミーティングに赴くのでした。 しかしスタッフ側は既に主人公を少年に変える事で企画を練り直しており、もはやそれが既定事実の如く話が進んで行ってしまいます。それに対して話に割って入る京介。どうして主人公が女じゃダメなのか、と。「女の子が女の子と仲良くなっていくことに意味があるのか」と問うスタッフ・・・うわっ、こいつウテナとマリみてとストパニと神無月の巫女と舞-HiMEとけいおんとストパンと咲-Saki-とその他諸々のアニメを全否定しやがったよwwwww 更に商業作品である以上ヒットさせねばならない。それは消費者を喜ばせる事であって原作者を喜ばせる事じゃない、必要とあらば原作は改変すると告げ、そして遂に 「何より個人的には(妹都市は)全然面白くない!」 と本音を言い放って本を投げ捨てます。うわ・・・これ原作付きのアニメで言っていい事なのか・・・。 仕事だから仕方なくやっているが、下ろしてくれても結構とまで言ったこのスタッフに噛み付いたのは京介ではなく黒猫でした。 「結局逃げるの?この負け豚」
このスタッフがかつて小説を出版し、それが鳴かず飛ばずで終わった事を知っていた黒猫は、中学生のポッと出の桐乃のワケワカメな小説が大ヒットしているのを憎々しく思っている事を指摘。 確かに桐乃の小説は面白くない。こんなのの尻馬に乗って儲けようとする出版社もメーカーもスタジオも潰れれば良いと言う黒猫(言うなぁ・・・)。しかしだからと言って、貧困な発想力しか持ってないから得意分野に引き込んで改悪しようなんてもっての他、と。 唖然とする京介に対しても「何でいつも妹ばかり良い目を見るのか」と嫉妬している点を指摘。痛い所を突かれた京介ですが、黒猫が妹のためにここまで言ってくれた事に対し、自分も兄として出来る事をしようとします。それは・・・土下座(ぇー 本当にアニメが好きな妹の夢を壊さないで欲しい、プロの本気を見せてくれ!と。黒猫からも「お願いだからもう一度考えてちょうだい」と言われ、スタッフたちは企画を練り直す事になるのでした。 帰りの電車で黒猫に「どうしてそこまで妹の世話を焼くのか」と聴かれた京介。「多分、兄妹だから」と応える京介を羨ましく思う黒猫・・・おっとここで本格的なフラグ屹立ですな♪ 後日送られて来たアニメ化企画の改定案は、概ね桐乃を満足させるものでした。そのために京介や黒猫がどんなに頑張ったかも知らず(沙織は空気だったけどなw)、京介に「気安く話し掛けないでちょうだい!」と高飛車な態度を取る桐乃・・・さすがにこれは視聴者側からは感じ悪過ぎじゃなイカ?結局京介と黒猫は桐乃の小説のアニメ化に対し、自己中心的なスタッフをやり込めて桐乃の思い上がりを助長しただけとも・・・
うむー、確かにこれはアニメ界の暗部の露呈だけに収まらず、京介の過剰なまでの桐乃擁護、桐乃の増長と作品全体をマイナス方向に引っ張ってしまった面は否めないかも。 それに後に知ったんですが、実は今回の話自体が「原作の改悪」だったようです。原作での展開は「桐乃の小説が出版される事に→伊織が桐乃の小説をパクって自分名義で出版→桐乃ショック→京介が出版差し止めをさせるために伊織と対峙」という流れのようで。つまり、アニメ化なんて話は完全にアニメ版オリジナルなのです。 なぜそのような改悪をせねばならなかったのか。それは今年ラノベ界を揺るがした盗作問題でした。俺妹の電撃文庫でも大変な問題になったのは記憶に新しい所です。その話題を早く忘れさせるため、アニメ作品としてこの話題を後世に残さないためにこのような無理のある展開になった・・・これはアニメスタッフだけを責められない状況ですけどね。 このエピソードのアニメ化はちょっと冒険し過ぎたように思えます。そういう事情があるならいっそアニメではこのエピソードを飛ばしちゃえば良かったのにね。
本日のBGM:メイズ参上!(『それでも町は廻っている』ED)
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