2012/08/15 (水)
『クドリャフカの順番』完結・・・才能ある者に努力では勝てないって結論は納得だけど切ないよね・・・ 〜今週の『氷菓』
前に入須先輩も例え話でそんな事言ってたっけな。原作者の信念みたいなもんなのかな?
放送部の番組出演で十文字事件を煽り、更に『氷菓』をさり気なくアピールするえる・・・その口調は明らかに無理してる感がアリアリ。それを聴いて何か思う所のありそうな入須先輩・・・カエルの編みぐるみを見てデレるなど、顔に似合わない可愛い物好きキャラとは。そ、そんなアピールで騙そうったって、奉太郎みたいに釣られないんだからね! 語尾に「♪」や「♡」が付きそうな媚び媚びな放送を無事終えたえる・・・やはり相応の精神的消耗が。天然は天然というキャラを押し通すべきなのですよ。 放送の影響で怪盗十文字最後のターゲットと目される古典部にギャラリーが集い、『氷菓』も人口密度に比例するかのように売れて行きます。ちなみに入り口に貼られたポスターは摩耶花によるものでしょうね。里志が必要以上に目立って描かれているのが摩耶花らしいw しかしそんな中、多くのギャラリーの前で怪盗十文字は犯行をやってのけます。机の上に置かれた校了原稿が突然火を吹き、里志がそれを消し止めるとすぐ近くに落ちていた『氷菓』の間から犯行宣言と事件の終幕を告げるメッセージカードが・・・。 ちなみに一度最後まで見て犯人が誰かを知った後、もう一回このシーンを観るとちゃんと犯人が「行動」してるのが分かりますね。
委託分の『氷菓』が完売し、その代金を入須先輩から受け取るえる。その際、入須先輩はえるに放送での語り口調を「お前には合わない」と忠告。それを自分でも感じ取っていたえるは「もう懲りごりですw」と伝え・・・互いに笑い合う事でこの忌まわしい(?)千反田える改造計画は幕を閉じるのでした。 怪盗十文字を捕まえる事が出来なかった里志は、谷から「お前には期待してたのにな」と言われ、谷が去った後に少し感情を摩耶花にぶつけてしまいます。 期待という言葉は自分にそれを成し得る可能性がない人間が使う言葉・・・ここで里志の回想モードに突入。舞台は数刻前、里志が偶然、奉太郎が怪盗十文字の犯人と向き合っている場面・・・奉太郎が突き止めた怪盗十文字の正体、それはこの祭りを仕切る総務委員会委員長・田名辺治朗その人でした。
メッセージカードの「失われた」という表現、「ク」で始まる部が狙われなかった件から、失われた物=今年発刊されるはずだった『クドリャフカの順番』だった事を突き止めた奉太郎。 加えて、犯行被害に遇っている部活がカンヤ祭パンフの最終頁に集中している事、そういった編集が出来るのは田名辺しかいない事、更に『クドリャフカの順番』を予告していた『夕べには骸に』が、原作の安城春菜・作画の陸山宗芳・そして田名辺治朗の共作で、PNも三人の名前の頭文字から取られている事まで突き止めた奉太郎・・・里志が才能の差に絶望するのも分かるくらい、天才過ぎんだろ奉太郎!!! 自分が怪盗十文字である事を認めた田名辺。そしてそれが『クドリャフカの順番』を失わしめた陸山へのメッセージであった事も・・・。そんな田名辺にある提案を持ち掛ける奉太郎。総務委員で『氷菓』を30冊購入して、カンヤ祭HPの通販で売って欲しいとの要望を伝え、その条件として怪盗十文字の最後の犯行で内部協力を行う、と。具体的には、校了原稿にマグネシウムを仕込んでおくので、水鉄砲で打ってマグネシウム反応で派手に燃やして犯行を完遂させ、その話題性で『氷菓』をHPで売る・・・つまり、古典部での十文字の犯行は、実は奉太郎による内ゲバだったのでした。 そんな完璧な推理と結末までを描き出した奉太郎と張り合おうとしていた自分を鑑みて、今編で初めて里志があの言葉を口にするのでした。「データベースは結論を出せない」と。 つつがなく閉幕を迎えたカンヤ祭。ここで摩耶花は奉太郎から借りた『夕べには骸に』をナコルル先輩こと河内先輩に見せようとします。しかし河内先輩はやはりその存在を知っていたようで・・・
河内先輩によって語られる、安城との思い出。初めて原作を書いた友人が、自分を遥かに超える才能を顕したその本を最後まで読めなかった河内先輩・・・。そして去り際に河内先輩が残して行った落書きで、河内先輩こそ『夕べには骸に』に次ぐ傑作と自分が評した『ボディトーク』の作者だと知った摩耶花。それらに比べると数段落ちると自負している自分の才能に、摩耶花は涙が止まらなくなるのでした・・・。切ねぇ。 無事にカンヤ祭を終えた奉太郎は田名辺との会話の続きを思い出していました。実は『クドリャフカの順番』の原作は安城によって完成していた事、しかし陸山はそれを開こうともしなかった事・・・あれだけの才能を持ちながら、陸山は『夕べには骸に』をただのお遊びとしてしか捉えていなかった。その才能を羨望し、怒りすら覚えた田名辺・・・里志、河内先輩、そして田名辺。天才の存在によって傷付けられた者がこの話の影の主人公だったのです。 最後に残った4冊をそれぞれ自分たちで購入する事によって、遂に『氷菓』完売という目標を達成した古典部。それを祝って千反田家で打ち上げを行う事になりますが、その場で怪盗十文字事件の真相を説明させられる事になる奉太郎・・・今回ばかりは摩耶花もえると同じ目になってますw こうして長かった『クドリャフカの順番』編も無事終了。推理と謎解きよりも、料理対決などの推理とは関係ない所が一番面白かったような気もしますけど(^_^;
本日のBGM:未完成ストライド(『氷菓』OP)
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