2012/08/22 (水)
安易にハッピーエンドにしないところがこの作品らしいですな 〜今週の『氷菓』
今回は久々に短編を原作とした1話完結スタイルです。
ある日の放課後、ふと学校の上空を飛ぶヘリに気付いた奉太郎は、ヘリが好きだと言っていた中学時代の教師・小木正清の事を思い出します。授業中にヘリが飛んで来ると、いきなり窓の方に走って向かってそのヘリが飛び去るまで見送り、その後ヘリが好きなんだ、と言い訳のように言った小木。しかし同じ中学出身の里志や摩耶花の話を聴いても、小木がヘリが好きだったという痕跡は微塵もなく・・・自衛隊のヘリが編隊を組んで飛来してもスルーしていた事から、あの時小木が見上げたヘリに特別な意味があったのでは?という疑問に思い至る奉太郎。 その疑問を解決するため、図書館に寄って帰ろうとする奉太郎に驚愕する古典部員たち。あの奉太郎が自発的に調べ物をしようとするとは・・・って、揃いも揃ってリアクションが激し過ぎw そんな中、奉太郎が何を調べようとしているのか、私、気になります!モードのえるは奉太郎にくっ付いて一緒に図書館に行く事に。ひょんな事から放課後図書館デート展開ですよ!
自転車通学のえるは二人乗りで行く事を提案しますが、そのあまりに絵にならない自分たちの姿を想像して、先にえるに図書館に行ってもらう奉太郎。まぁ某愛知県のキー局だと、放送される時に町が雲の上にされてしまうしなw 先に着いていたえるによって、小木が山岳会の会員だった事を突き止めた奉太郎。そして受付で過去の新聞検索を申し出た奉太郎は、その絞り込みキーワードに「遭難」と伝えるのでした。あと、受付嬢可愛い。 司書が新聞のバックナンバーを探してくる30分ほどの間(たった3年前の新聞を探すのに30分もかかるのかよ)、しばしの図書館デートを楽しむえる。野菜の本や昆虫の本に興味津々のえる・・・しかし一番関心を引かれたのがフンコロガシの本ってのがやっぱりズレてるw 一方、奉太郎は平清盛や日本の城についての歴史雑誌をパラパラ。奉太郎が興味を持つ対象にも関心を寄せるえるは、自分が奉太郎に対して抱いている感情が何なのか、全く分かってないようで。 その後、司書から預かったバックナンバーで該当する記事を見付けた奉太郎。あまり当たって欲しくなかった奉太郎の予感は現実の物となりました。それは、小木が所属する山岳会のメンバーの遭難記事でした。
遭難事故が起きたのはヘリが飛んだ日の2日前。しかし前日は悪天候で捜索・救難のヘリが飛べず、天候が回復した当日、ようやくヘリが飛べた・・・そのヘリに仲間の救助の一縷の望みを託した小木が、思わずそのヘリを見えなくなるまで見送ってしまった・・・それがあの日の真相で、その行動の照れ隠しに発した言葉が「ヘリが好きだから」だったのでした。しかし数日後の記事によって、その遭難した2人の山岳会員が遺体で発見された事を知る奉太郎・・・ここは無事に救助された事にしても良かったと思うんですけど、敢えて死んだ事にしたのは最後の奉太郎の述懐に重みを持たせるためでしょうね。 真相を知り、帰路に着いた奉太郎とえる。えるは今回の件でなぜ奉太郎が図書館で調べてまで過去の事を知りたがったのか、その疑問をぶつけます。それに、ただのヘリ好きの教師としてしか認識が無かった小木に、何か事情があったのかちゃんと知らないとその人に失礼だ、という奉太郎の人に対する思いやりの心があった事を知るえる。仲間の生死を気遣う思いを、単なる奇行として記憶していてはいけない・・・もう会う事もないであろう人間に対して、そこまでの思いを向けられる奉太郎に、何も言葉が出ないえる・・・えぇ、多分それは恋なんですけど。あと、ローアングルからのえるの足が眩しいw 今回は短編ながらもえるに芽生えつつある奉太郎への想いとか、奉太郎の人間に対する誠実さみたいなものが感じ取れて、何とも感慨深かったですね。
本日のBGM:お後がよろしくって…よ!(『じょしらく』OP)
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