2012/09/19 (水)
京アニが描く究極の映像美と、モブの超豪華さに驚嘆した最終回! 〜『氷菓』最終回
俺たちの恋路はまだまだこれからだ!EDだったけど、原作量的に続編は難しいor当分先になるんだろうなぁ。
奉太郎たちが2年生になった4月のはじめ、まだ春休み期間中の奉太郎はえるの電話で起こされます・・・11時過ぎてるけどな(;´∀`) そこで2日後に迫った水梨神社の生き雛祭り(アレックス神社じゃないのねw)で、雛の行列の傘持ち役を頼まれる奉太郎。この1年でえるの前では脱省エネ主義となってしまった奉太郎はその役割を了承して、祭りの当日、田舎の長い道を自転車を漕いで水梨神社に向かいます。途中、狂い咲きの桜と呼ばれる満開の桜の巨木の下を通り、えるの道筋案内通りに長久橋を渡ろうとするも、その橋がこの後工事のために封鎖されると聴き・・・。 神社に着いた奉太郎は完全アウェーで所在なげにしていますが、今年はTV中継も来るとの事で、その周囲では祭りの開催側のおっさんたちが右往左往。それにしてもこのおっさんたちの声、リーダー格の爺さんが永井一郎氏で、その下っ端たちが千葉繁氏に石塚運昇氏に西村知道氏に二又一成氏とか・・・最終回だけに超大物だらけ!残った予算を一気にここに注ぎ込んで来たかw ここで行列が長久橋を渡る予定である事を知った奉太郎は、橋が工事で封鎖されている事を伝えます。それを知った開催側は大慌て。祭りの開催中は橋の工事を止めていたはずなのに、何者かが業者に工事を了承する電話を入れていたらしく・・・ そこで長久橋の少し先にある遠路橋を渡るルート延伸案が茶髪の若手スタッフから出されますが、その案におっさんたちはなぜか躊躇します。 その理由が不明なまま、奉太郎は別室で着付け中のえるから呼ばれるのでした。
騒ぎを聞き付けたえるは、奉太郎から大体の事情を聴くと「先方の宮司と氏子総代には千反田家が話を付ける」と伝えて欲しいと頼まれます。その言葉を聴いた開催側は安心して遠路橋への延伸ルート案を採択するのでした。なるほど、そのルートを通ると神社間の境界を超えちゃうって訳か。田舎のルールってめんどいね。 慌ただしく着付けをされる奉太郎・・・さっきの茶髪君はこの祭りを「観る」のに興味があるようで、参加はしたくないようです。ふむぅ、この人の言動がさっきからちょっと私、気になります! 全く似合わない戴冠姿にさせられた奉太郎は、お内裏様役が入須先輩と知って驚きますが、その後に出て来たお雛様役のえるの美しさに完全に見蕩れてしまいます。つーかここからしばらくかなり強めのエフェクトがかかって画面が見難くなるんですよねぇ。幻想的な演出なのは分かりますけど、エフェクトなしの着飾ったえるもちょっと観たかったかも。
行列に加わった奉太郎は大きな後悔をします。それは雛の傘持ちは雛=えるの後ろ姿しか観れない事・・・そしてそれを惜しむ自分の感情に気付いた奉太郎は、アイデンティティである省エネ主義が崩壊して行くのを悟ります。 行列は長久橋をスルーして遠路橋へ。今回はルートが延伸された分、行列は狂い咲きの桜の下を通る事となり、その幻想的なコラボレーションは観る者を釘付けにします。そんな中、沿道から奉太郎に声を掛ける里志と摩耶花・・・あぁ、やっと出て来た。このまま最終回なのに出番なしかと思ったよ(^_^; 行列が終わった後、着替えた奉太郎は里志&摩耶花と水梨神社で歓談。里志が一寸席を外すと、ヴァレンタインの時に両者のために一役買ってくれた奉太郎に素直に感謝の言葉を告げる摩耶花。どうやらその後、二人は交際を始めたようで・・・摩耶花は長年の恋がやっと実った訳で、少しは角が取れて丸くなった?w お内裏様役を終えて帰宅する入須先輩と遭った奉太郎は、今回のちょっとした騒動に裏で入須先輩が絡んでいるのでは、と思っていましたがさにあらず。つーか奉太郎はこの人に騙されたのがかなりのトラウマになってるのね・・・。
無事に祭りを終え、開催側も打ち上げの宴会に入ったところでやっとえると話をする機会を得た奉太郎。えるは今回の騒動の原因に関して、奉太郎の推理を心待ちにしていたようで・・・しかし今回はえるも騒動の発端となった人物に心当たりがあるようです。 その人物の名前を手のひらに書いて、それを見せ合う奉太郎とえる・・・君たちは赤壁前の孔明と周瑜かw 両者の答えはやはりあの茶髪君でした。今回の騒動で、はじめから遠路橋ルートを前提にして動いていた唯一の人物。そして「今年は珍しい光景が観れる」事を楽しみにしていた描写・・・その光景こそ、狂い咲きの桜の下を行列が通る事で、茶髪君がカメラマン志望で大阪の専門学校からわざわざ帰省して来た事をえるから聴いた奉太郎は、その推理に確証を得るのでした。 まるで桜の花びらを空に張り付けたようなピンク色の幻想的な夕焼けの中、帰路に着いた奉太郎とえる。えるは今回の騒動で千反田家が成した役割について奉太郎に語り始めます。
神山市の北部に影響力を持つ千反田家。かつては水源などの問題で南部と対立する事もあり、その名残で今でも祭りの時などに境目を超えると揉め事の種になるので事前に手を打ったとの事・・・田舎のムラ社会問題ってのは根強いからねぇ。 千反田の家に生まれて来た限り、土地の束縛から逃れられない事を受け入れているえる。ならばどのようにこの何もない場所を栄えさせるか、高二にして既に真剣に考えているえるは、文化祭での一件もあって自分にはリーダーとしての経営的戦略眼に乏しい事を自覚していました。よって、理系の進路を取って市全体が栄える産業を考える側に就きたい・・・15歳の女の子とは思えないくらい立派な考え方だなぁ。自分が15歳だった時を振り返ると恥ずかしくなるわw そんなえるに、自分が経営的戦略眼の代わりになると言う奉太郎・・・・お、お、おーっ!!!遂に告白、いやこれはプロポーズか!?と思ったら奉太郎の妄想の中かよ(;´д`) 里志も頑張ったんだから、奉太郎にもここは頑張って欲しかったな。 話題を変えようと、吹いた風に「まだ寒いな」と呟く奉太郎ですが、「もう春です!」と告げるえる。そこに吹いた一陣の風で盛大に舞い散る桜吹雪・・・。2人の足元で芽を出した4本の土筆は、まるで古典部の4人のようでした。
2クールに渡って放映された『氷菓』もこれで終幕です。京アニの底力を見せた作画と演出で、ほぼ無名な作品をスターダムに押し上げたという点では『けいおん!』にも共通する所がありますね。 当初は4人だけの登場人物(2人だけのヒロイン)で、2クール飽きさせずに作れるもんかな・・・?とも思いましたが、一部ズルズル引っ張り過ぎな脚本もあったものの、全体としてはテンポ良くまとめて、毎回楽しませてくれた作品でした。でも一番楽しかったのは謎解きの話よりも、カンヤ祭の時のお料理対決だったかなw 10月期の京アニは『中二病でも恋がしたい!』ですね。こっちの方はとっつきやすそうな内容なので、『氷菓』とは違った視点で楽しみたいと思います。
本日のBGM:夢、ひとひら(『ひとひら』OP)
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