2012/09/26 (水)
新選組の黎明を飾った巨星、遂に堕つ・・・ 〜『薄桜鬼 黎明録』最終回
そういやこの作品、新番組キャプ感想の時に「時々感想Upする予定」と書きながら、結局一度も取り上げてなかったんですよね(Twitterでは多少、佐々木愛次郎などの隊士について呟いてたんだけど)。
最終回は予想通りもう一人の局長・芹沢鴨の粛清の話だったので、この話くらいは取り上げたいと思います。
京都の治安維持の大義を傘に着た乱暴狼藉のし放題で、遂に新選組の上司に当たる松平容保から近藤たちに処断の指示が出た芹沢。近藤たちが芹沢を宴席で酔い潰れさせ、寝室で寝入った所を土方・山南・沖田が襲ったのも、神道無念流の同門だった永倉新八がこの計画から除かれていたのも史実通りですね(但し、斎藤によってあっさり気絶させられた永倉ですが、両者の剣術の実力はほぼ互角と観るべきです)。
近藤が芹沢を殺そうとしている事を知ると、芹沢の下へ飛んで行った龍之介・・・ちなみに龍之介のモデルは芹沢派の若手隊士で、芹沢の小姓的な役割も務めていた野口健司だと思ってます(名言はされてませんが)。まぁ野口がモデルならば、芹沢死後に土方たちに殺される=その後の『薄桜鬼』内に登場しないのも合点が行ったので。
話を本編に戻すと、芹沢は愛人であるお梅を殺して土方たちを待ち構えていました・・・史実ではお梅は土方たちに殺されたんですけどね。でもここはその覚悟を描く意味でも、芹沢に殺させた方が正解ですかね(まぁ乙女ゲーが原作なので、土方や沖田に女殺しはさせたくないだろうしなぁ)。ちなみに芹沢が病に犯されている描写が幾度もありましたが、実は芹沢は梅毒だったと言います・・・まぁあれだけ淫蕩な生活送ってれば性病にもなるわなー
新選組でも名うての使い手である沖田(天然理心流免許皆伝)・山南(北辰一刀流免許皆伝)・土方(天然理心流免許・・・目録のみ)に襲われた芹沢は、ここで禁断の落水を飲んでスーパー芹沢化。先週、新見錦ごときでも落水パワーで沖田以上の実力を発揮したので(もっとも新見も神道無念流免許皆伝なので、落水を飲む前でも土方よりはずっと強かった・・・はず)、元々が屈指の使い手である芹沢はこの3人を相手にしても一歩も引かず・・・と思ったら、山南&沖田の連携攻撃に隙を作られてあっさり土方に刺殺されちゃいました(;´д`)
まぁ芹沢は本気で土方たちを殺すつもりはなかったみたいですし(史実では沖田を結構可愛がってた)、純粋な龍之介に未来を託す意味合いでも、自分がここで死ぬ事に悔いは無かったんでしょうな。
さて・・・その場を逃げ出した龍之介ですが、芹沢の小姓として龍之介の生命まで新選組は狙います。そう、この鉄の掟に縛られた非道こそが新選組の真の恐ろしさです(隊士の死因は「戦死」よりも圧倒的に「粛清・切腹」の方が多いですし)。そして龍之介の処分は彼に追い着いた沖田の手に委ねられます。足に怪我をさせた上で龍之介を橋から濁流の中に突き落とした沖田・・・どう観ても悪役・悪人の顔ですw
龍之介の生死は不明ながら、芹沢一派を完全に消し去った土方は、近藤を中心にした新たな新選組の組織作りに着手。その役どころがよく分からなかった小鈴は芸者を辞め、やはり生きていた龍之介は、芹沢の「生きろ」という言葉を胸に再び放浪の旅へ・・・そして江戸の町を出て、父を探しに京都へ向かう千鶴が最終回に遂に登場!龍之介とのすれ違いが、新旧ヒロイン(?)交代みたいですね。
結成当初の新選組を描く上で決して欠かす事が出来ない芹沢鴨の存在。悪逆な暴君ながら、彼を慕う一派も存在する程の人望も持ち合わせた(三國志で言うと董卓かな)不思議な人物。つーか近年、新選組を描いた作品に於ける芹沢って、どれも格好良かったりするんだよなぁw 本当は功績よりも悪行の方が遥かに多い、いろいろとダメダメな人なんだからね!
本日のBGM:君ノ記憶(『薄桜鬼』ED)
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