2013/05/10 (金)
遂にその暗部を露呈した『妹達』計画。ギャグ路線で散々盛り上げたところで、急転直下の鬱&グロ・・・世界よ!これが日本のアニメだ! 〜今週の『とある科学の超電磁砲S』
正直、原作をここまで完璧に描く、いや、昇華させて来るとは思いませんでした。
衝撃の出会いを果たした美琴とミサカ9982号。しかし美琴がショックで呆然としているところに、ミカサが掛けて来た言葉は「にゃー」・・・猫ひろしかw 木に登って下りられなくなった子猫を救う事を美琴に提案するミサカ。それどころではない美琴ですが、ミサカのペースにまんまと乗せられ、自分が四つん這いになってミサカが上に乗って子猫を救出・・・美琴が下というのも納得行かんのですが、靴のまま乗っている事が一番納得行かんよミサカさん! 地面に落下しそうになった子猫を、スカートを広げてクッションにして救うミサカ。しかし研究者たちのリサーチ不足か、ミサカシリーズはオリジナルと違って短パンを履いていないため縞パンが丸見えに・・・ちなみにどうして妹達が縞パンを装着するようになったかは、公式同人漫画で以前語られていたような。
すっかりミサカのペースに飲まれたものの、妹達計画が凍結されず、こうして自分のクローンが存在している事実を前にして首謀者を暴こうとする美琴。しかしミサカの反応は暖簾に腕押しで・・・そこで美琴はミサカが首謀者の所に戻るのを尾行し、その上で計画の真実を探ろうとします。 しかしミサカはクローンと言っても悪意は全く感じられず、ぽややーんとしていささか美琴は拍子抜け。しかし美琴は、計画の名前が「妹達」である事を思い出し、他にもクローンがいるのでは!?とミサカに厳しく詰問。そんな美琴を小馬鹿にするようにはぐらかすミサカ・・・この9982号は子猫を助けようとしたり、美琴に腹黒い態度を取ってニヤけたりと、妹達の中でもかなり個性的な個体ですよね。 そんな両者の姿を観て、姉妹喧嘩をしているように思ったアイス売りのおっちゃんから仲直りのアイスを貰う美琴とミサカ。しかしミサカは美琴の僅かな隙を突いて美琴のアイスを盗み食いw 後にヒロインの1人になる10032号に比べると、かなりおちゃめなヤツですw
結局ミサカは研究所にもアジトにも戻らず、そのまま「実験」に向かうと散々振り回した美琴に告げます。この日は妹達計画の首謀者に会う事を諦めた美琴は、ミサカが口にしたコードナンバーからネットを介して真相を突き止める事にします。 ミサカと別れる前に美琴は、苦労して入手したゲコ太バッジをミサカに付けて「これもアリ」と自分のセンスを認めますが・・・ミサカは美琴のお子ちゃま感性にダメ出しw しかしバッジを外そうとする美琴に対しては激しく抵抗し、その所有権を主張。「お姉さまに初めて貰ったものだから」と可愛い事を言う反面、もっとマシな物は無かったのかよ、と嘆息する腹黒さで完全に美琴と掛け合い漫才を展開するミサカ。本当に面白いヤツです。 しかし、美琴は気付いていなかったのです。別れ際にミサカが告げた「さようなら」の意味を。
美琴はミサカから聴いたコードナンバーを初春に尋ね、それがA級以上の極秘情報のコードである事を知ります。携帯端末でそのコードの解析を始める美琴・・・。 その頃ミサカは、駅のコインロッカーから荷物を取り出した後に、人気のない裏路地である人物と邂逅。その人物とは・・・勿論あの人、今期、いや超電磁砲シリーズでは初登場の一方通行です。
コードを解析した美琴は驚愕の計画を知ります。「絶対能力進化実験」・・・レベル5の被験者をレベル6にランクアップさせる計画。そのためにはレベル5で第3位の実力者である超電磁砲=御坂美琴を128回殺す事が必要だが、その劣化クローンである「妹達」を2万体殺す事によって目的を達する・・・この狂った計画を知った美琴は、愕然としながらも今日の実験場に指定された場所に向かいます。そこで美琴が観たものは、ミサカが付けていたゴーグルの残骸・・・。旋律する美琴。 一方通行に追われたミサカは、負傷しながらも河川敷のコンテナ群まで逃走。レベル5第1位=学園都市最強の一方通行に対し、レベル2程度ではまともに抗することも出来ず、一方的になぶり殺しにされるミサカ。しかしミサカは、唯一逆転の要素に賭けようとしていたのです。
地面に接する足の裏は防御力が無いに違いない・・・地雷を仕掛けた位置に一方通行を誘導する事に成功したミサカですが、勿論地雷程度では一方通行は全くの無傷です。しかしその轟音は美琴の耳にも届き、その戦場を知らせる事になるのでした。 最後の切り札が失敗に終わったミサカは遂に一方通行に捕らえられて、その左足を引きちぎられ・・・うわぁ、このシーンアニメでやっちゃうんだ・・・というのが素直な感想です。原作コミックでも凄絶で残酷なシーンですが、それがアニメになると更に輪を掛けて強烈な物になります。特に「実験」の直前まで個性的な素顔を多く見せて来た9982号がミンチにされて行く様は、初見の人にはちょっとトラウマなんじゃないかな。 弾け飛んだゲコ太のバッジを拾おうと、片足を失いながらも這い進むミサカ・・・ようやくそれを掴んで安堵の表情を浮かべた次の瞬間、実験に飽きた一方通行が落下させた巨大なコンテナで圧殺されるミサカ。そしてその最期は、現地に辿り着いた美琴によって一部始終を目撃され・・・ つまらない実験を終えて帰ろうとする一方通行に着弾する電撃・・・絶叫を挙げて突進する美琴は完全に冷静さを失っています。第1位のレベル5と第3位のレベル5、学園都市頂上決戦の火蓋が切って落とされます。つーかEDの入り方が完全に映画だ!
原作通り描くのは難しいと思われた9982号の最期を完全に再現したアニメスタッフの英断と、完璧な演出でそれを観せた手腕には心から拍手喝采です。 既に禁書目録で描かれている通り、この後は改心して悪事から足を洗う一方通行ですが、この9982号虐殺シーンと、これまでの1万体に及ぶミサカ殺しが私の中で絶対に許せない存在にしてしまっています。なので、世間の一方通行人気がどうしても腑に落ちないんですよね・・・。
本日のBGM:GENESIS ARIA(『アラタカンガタリ〜革神語〜』OP)
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